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中嶋 悟; 大木 貞嗣*; 落合 周吉*
Geochemical Journal, 23, p.57 - 64, 1989/00
被引用回数:26 パーセンタイル:59.41(Geochemistry & Geophysics)鉱物中の微小な含水物質を分析するため、フーリエ変換型顕微赤外分光法を鉱物に応用してみた。鉱物薄片での顕微透過スペクトルの解釈から、異なる水の化学結合状態についての情報が得られ、10mステップのマッピング測定からそれぞれの水の空間分布が得られた。この方法は、従って、岩石-水相互作用のような、微小領域で不均一に起こる地球化学的過程の分析に有効でろうと考えられる。特に、鉱物の水和やイオン交換の機構を調べたり、鉱物やガラスの表面水和層のキャラクタリゼーションをする際に、有効であろう。この方法をさらに発展させ、化学反応径路のモデル化の手段として用いたい。
中嶋 悟
日本電子ニュース, 27(1-2), p.12 - 17, 1987/02
天然の岩石の構成物質である鉱物については、X線マイクロアナライザーによって数mオーダーでの元素分布が知られるようになったが、今後は、これらの元素がどのような状態で存在するかについての情報も必要とされる。その1つの分析法として、鉱物の顕微赤外分光法は、非破壊で鉱物の微小領域の結晶構造や水の存在状態、多原子価元素の価数等の情報が得られ、鉱物の生成条件や2次的変化などの推定に有効である。フーリエ変換型顕微赤外分光計を用いて、天然の鉱物の20m領域での状態分析を試みた。岩石の割れ目(水みち)周辺での鉱物の水和現象などの研究は、岩石中での物質移動に関与した水の役割を明らかにできよう。また、地層中に存在する微量天然有機物のキャラクタリゼーションは、酸化還元条件に敏感な元素の還元による固定を調べる上で重要である。これらの研究は、顕微赤外分光法で可能となろう。